菱木明香 個展
菱木明香 個展
「温室茶会 - Hothouse tea party」
2023.04.28 [Fri.] − 08.20 [sun.]
Asuka Hishiki
絶滅危惧種の珍しい植物から冷蔵庫の中で腐りかかった野菜まで身近な自然のかけらを淡々と描くという仕事を続け、2010年頃からは古紙を使ったオオカバマダラの大移動をテーマしたインスタレーションなど、人の営みと自然の存続の間に起こる環境問題を取り扱った作品も展開している。
また多くの作家と共に世界の植物園で滞在制作などを通し何十年とかけてその植物園に植栽されている植物の膨大な記録花譜(florilegium)を残していく取り組みにも参加。
【event】
Artist Talk / 2023.07.29 [Sat.] 15:00 - 16:00

菱木の作品は、私たちの身の回りにある自然−野菜や庭木の枝、あるいはそこに訪れる虫や菌など−をモチーフとしています。その多くは私たちの普段の生活の中にあり、何気なく見ているもの、そうでなければ「知っている」と捉えているものたちです。菱木は丹念な描写を通してそれらが持っている、様々な状態や様相を、観る者に再提示します。透徹した視点で描かれた作品は、日常の中で何気なく取り除いている姿や存在、描かれているもの同士の関係やそれらの現在のあり方、審美的な多様さについて、改めて意識を向ける機会を作ります。

本展は、オオカバマダラというアメリカ大陸を南北に縦断する渡り蝶のインスタレーションと植物の絵で構成されます。アメリカ在住時に意識することになったこの蝶は、遠く離れた南半球と北半球をつなぐように渡りを行う生態を持ちますが、その蝶の渡り道の植生は農業で使う除草剤や気候変動による影響を受けているといいます。作家の身近な生活の中で出た古紙や和紙で作られた本作品は、直接的な環境への働きかけを訴える訳ではないものの、それを見る人に様々な思いを巡らせる機会を作ります。

自然について想像の機会を作る菱木の作品を、日常の延長として様々な食と共にあるカモガワの空間にてご高覧頂ければと思います。

  • 石川愛子 個展
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